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作品タイトル:UNBALANCE
日時: 2004/09/11 21:47
名前: XXX  [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak-hosi.gif

<bgsound src="http://www15.ocn.ne.jp/~darkx/g_air_pi.mid" loop="infinite" autostart="true" hidden="true">

「小説のススメ」から移動してきました。

このコミックロールは「間」が上手く表現できるみたいですからね、
こっちの方がやりやすいかもしれません。


【作品の紹介】

一応、近未来の東京が舞台となっております。
まぁリアルに言うと今から2、30年後くらいですかね。
まだ完成してないのでゆっくりと書いていきます。
ちなみに、ストーリーの構成とかは全て決まっています。











【BGM/G線上のアリア】
メンテ
Page: [1]

ファイルNo.1
日時: 2004/11/19 18:56 [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak2-14.gif

<TABLE border="0" width="734" cellpadding="0" cellspacing="0" align="center"><TBODY><TR>
<TD align="center">
1、プロローグ








</TD>
</TR>
<TR>
<TD bgcolor="#000000" align="center">
<FONT color="#ffffff">




沈黙、静寂、そして暗黒。
そんな何もないところに『それ』はいた。


















―――素晴らしい・・・

ここは俺にとって最高の場所だ。

誰にも邪魔される事なく、最強の力をつけて、俺は―――












あたり一面に満ち溢れるエネルギーを吸収し、『それ』は更に大きく、醜くなっていく。
そして、己の誕生に必要なエネルギーを求め、闇の中をさまよっていった―――






</FONT>



</TD>
</TR>
<TR>
<TD align="center">



<img src="http://www.comi-roll.up-jp.com/user-dir/6/unbalance_top.gif" border="0">





大都市東京。

日本の首都であるこの街には、今沢山の人が住んでいる。
様々な人間が住んでいる。

その中で今急激に増えているのが、非行へと走る若者達。

家を飛び出し、学校へも行かず、街を放浪する。

ある者は集団で単車に乗り激走、ある者は他人から金を巻き上げ、ある者は集団暴行を起こした。

そして、人々は彼らを『悪』と呼んだ。








世の中、−があれば+もある。

大量に生える植物を草食動物が食べ、更にそれを肉食動物が食べる。
動物が死ねば、それは分解され、植物の栄養となる。
そして、罪を犯す者がいれば、それを取り締まり、裁く者がいる。

自然界も人間界もこの絶妙なバランスによって、上手く保たれていた。
しかし今、この街東京では、そのバランスが少しずつ崩れてきていた。




非行に走る若者達。
メディアはそれを大きく取り上げ、広く報道した。
それを受けた人々は、彼らを『悪』と呼んだ。

しかし、それら『悪』を止めるものは現れなかった。

警察はすぐに動き出していた。
だが、それだけで『悪』を抑えられるはずはなかった。



この街の大人たちは『悪』に怯えていたのだ。



暴走、破壊、反発―――



もし止めたりしたならば、『悪』は我々にその矛先を向ける。
その恐怖から、彼らは『悪』のその行動を止めることが出来なかった。


何年か前は、しっかりとバランスが取れていた。
子供が非行に走れば、親がそれを正す。
そんな当たり前のことが、今は出来なくなっている。
それは『悪』が増えたと言う事だけが、理由ではないだろう・・・・






バランスの取れていない都市―――


















―――UNBALANCE―――






東京は今、こう呼ぶに等しい状態にあった・・・・。




</TD>
</TR>
</TBODY>
</TABLE>
メンテ
ファイルNo.2
日時: 2004/09/11 22:04 [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak2-2.gif

<TABLE border="0" width="734" cellpadding="0" cellspacing="0"><TBODY><TR><TD align="center">2、守という少年








守という少年は、『悪』と呼ばれていた。

彼は1年前に家を飛び出し、それからひとりでずっと暮らしてきた。
初めは友人の家に泊まっていたりしていたが、すぐにバイトを見つけ、アパートを借りて生活していた。
たまに家へ帰る事もあったが、その時は家族と会話を交わす事も殆どなく、金を貰っていくだけだった。

そんな彼に『悪』と呼ばれている若者達は一目置いていた。

彼には人をひきつける何かがあったのだ。
妙な孤独感、冷静さ。
そんな何かが彼にはあった。


そして、今日も守は仲間を引き連れ、夜の街を爆走していた。
仲間たちが狂ったように叫び散らす中、守は静かにハンドルを握る。










―――今日は何かむしゃくしゃする・・・・
朝っぱらから“あいつ”に会ってしまったからだろう。
・・・あの人を見下したような態度。
絶対にあんな大人にはならない。それを決意して俺は家を出た。
それなのにあんなところで出くわしてしまうなんて・・・・
俺に恥をかかせやがって――




そんな事を考えていると、ハンドルを握る守の手が自然と強くなる。
それとともに運転も荒く、そして速くなっているようだった。







――今朝の出来事。







</TD>
</TR>
<TR>
<TD bgcolor="#000000" align="center">
<FONT color="#ffffff">






<font color="#fffffff">守は友達何人かとコンビニの前で朝食をとっていた。
その友達の中には、後輩も何人かいるようだ。
そこに、黒く、大きく、いかにも高そうな車がやってきた。
そして2人の男が降りてきた。

ひとりは明らかに金持ちそうな男で、もうひとりはその側近といった感じ。
友人達は『金持ちだ』といった感じで見とれていたが、守の反応は違った。
食べかけのサンドイッチを片手に、座ったまま金持ちそうな男を睨みつけている。
それに気づいた男は、少しだけ守へ歩み寄り、
「この落ちこぼれが」とつぶやく。

それを聞いた守の後輩は、「なんだと!」と勢い良く男の胸倉を掴む。
しかしすぐに「待て!」と誰かが止めた。
止めたのは守の同級生で、守の良き理解者でもある少年。
更に彼は「お前、その人が誰の親父だと思ってるんだ!」と、後輩に怒鳴りつけた。


「え・・・まさか守さんの・・・」
後輩はそう言うと慌てて男から手を離した。


彼が言ったとおり、
この金持ちそうな男は守の父親。
大手会社の社長を務めており、今朝海外から帰ってきたばかりだった。
滅多にコンビニなどには来ないが、長旅で喉が渇いているので、飲み物を買いにきたのだった。
そこで偶然息子である守に出くわした。
いや、お互いにもう親子だとは思っていなかった。

1年前に守が家を飛び出したとき・・・・・正しくは父親が追い出した時だが、

この2人は親子の縁を切った。

もうお互いにその理由も憶えてはいなかった。
しかし、この親子の縁が元に戻る事はなかった。



後輩が手を離すと、
男は「フッ」と鼻で笑い、コンビニの中へ入っていった。
中で水を買って出てきたときには、もう彼らの姿はそこになかった――






</FONT>



</TD>
</TR>
<TR>
<TD align="center">






「おい、どこに行こうか?」
守が仲間たちに聞く。
仲間達は守の質問に、ビクリと反応した。
守がこんな事を聞いてくるときは、大体がイライラしている時で、いつも大変な事をしでかす。
学校へ行ったときは花壇に放火しようとしたし、図書館に行ったときは館内を単車で爆走した。
市役所に行ったときなんかは、駐車場にあった車を全て廃車にしてしまった。
こんな時に病院かどこかへ行ったりしたら、間違いなく死人が出るだろう。

特に今回は親父に会ってしまったいうこともあり、イライラがいつもより激しいようだった。
仲間達はあわてて「もう遅いから帰ろう」と守を止めた。
守は初めは納得がいかない様子だったが、皆の必死の説得により、しぶしぶ納得して帰ることにした。
その様子に「ホッ」として、仲間達も守の後について帰っていった。











</TD>
</TR>
<TR>
<TD bgcolor="#000000" align="center">
<FONT color="#ffffff">









<font color="#fffffff">遥か闇の向こうから『それ』は近づいていた。
『それ』は“光”
闇をかき消すために生まれた“光”






―――もうすぐだ。
もうすぐあいつは誕生する・・・・
それまでに何とかしなくては・・・
この私が・・・――――







『それ』は己の体を収縮させながら、近づいてきていた。
この、UNBALANCEな都市・東京へ。</FONT>






</TD>
</TR>
</TBODY>
</TABLE>
メンテ
ファイルNo.3
日時: 2004/09/11 22:24 [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak2-2.gif












3、雨中の暴走










とある週刊誌にひとつのコラムがある。






『世間のあれこれ』と題されたそれは、
タイトルの通り今世間で巻き起こっている出来事などを取り上げていくもの。
ここ1年で東京の非行に走る少年少女の数が、例年の何倍にも増えた。
最近少しずつ深刻になってきているこの問題についても、このコラムで深く取り上げられていた。

このコラムは、海道という男が書き上げていた。
海道はさえない30代のフリーライター。
過去の履歴などは一切謎で、3ヶ月前に突然現れて出版社に原稿を送るようになった。
家賃5万のボロアパートに住んでおり、そこでスポーツ新聞や雑誌などを読んでコラムのネタを集めている。










「・・・・・というわけで、ゴミは分別して出しましょう、と。ふぅ、やっと終わった・・・」

来週分の原稿を書き終えた海道はそうつぶやくと、
腐りかけの畳に大の字に寝転んだ。
すぐに出版社に原稿を持っていかなくてはならないところだが、海道はこのまま寝てしまいたい気分だった。
昨日の夜から朝までずっと作業していたのだから無理もない。


こんな誰が読むんだかわからない週刊誌の端っこにコラム載せてて何になるんだろうか、

こんなことの為に夜も寝ず作業してて何になるんだろうか、

そんな事を考えながらも、海道は重い腰を上げた。
今日中に原稿を提出しなければ、金がもらえないのだ。
まだ“今日”は始まったばかりだが、このまま寝ると明日になってしまいそうだった。
それでは金はもらえない。
金が無ければ飯にありつくことも出来なければ、こんなボロアパートに泊めてもらうことすら出来ない。
原稿を持って部屋を出ると、早足でアパートの階段を降りていく。

「はぁ〜あ、めんどくせぇ」
などと言いながらも、自然と足取りが速くなっていく。
もう海道は、原稿を提出して、寝る事しか頭になかった。




しかし少し歩くと、雨が降ってきた。
「あぁ〜、くそ! 降ってきやがって〜!」
そう怒鳴り散らしながら、海道は家へと走っていった。




















「馬鹿野郎! お前が余計なこと言うから守が怒ったんだ!」
後輩の昭人に保が怒鳴りつける。
「でもあんなこといわれたら・・・・しかも守さんの親父だなんて知らなかったし・・・」








保や昭人を含む集団は、守を中心にいつも行動していた。
つまり、守がリーダー格というわけだ。
今日は守を早く帰して、それ以外のメンバーで集会を行っていた。
そして守がいないといつも保がつけあがってくる。
今日も守が怒っていたのを後輩のせいにしているところだった。











集団のど真ん中で保が怒鳴り散らす中、
そこから2,3メートル離れたベンチに寝転がりながら健はそのやりとりを聞いていた。


―――また保か? アイツは大した度胸も無いくせに、後輩には妙に厳しい。
おまけに今は守がいない。思い切り図に乗ってやがる。
さて、面倒な事にならないうちに…―――


健は立ち上がると、保のいる方へとゆっくりと歩き出した。
そして保の目の前に立って言った。
「おい、そろそろ止めとけ。守に知られたら後が面倒だ」
健の迫力に、保と昭人達は思わずあとずさる。
健はこのグループの中では、NO.2と言える存在だった。
NO.1が守なのは言うまでもないことだが・・・・。

「でもよ、コイツが・・・」
と、保が言うと健が、
「俺が言ってるんだぞ」
とドスの利いた声で言う。
すると保は「わ、わかったよ・・・」
と言って引き下がる。
まるでさっきの保と昭人のやりとりと同じだった。
ハッキリと仲間同士での順位が決まっているわけではないが、
守がNO.1、健がNO.2というのは自然と確立されているようだった。

そして健の「行くぞ!」という掛け声を合図に、少年達は再び暴走を始めた。


















明け方の閑静な住宅街に、単車のエンジン音が響き渡る。













普段なら新聞配達の兄ちゃんの乗る単車の音くらいはするものだが、
彼らの出すその音はそれとは違った。

不快に響き渡る轟音。

ワケのわからない叫び声。

まわりに住む住民達は、彼らが何をしたいのかが分からなかった。
ただ迷惑に思うだけ。
まぁ、当然だろう。










しかし彼らはそんな事はお構いなしと言わんばかりに、暴走を続ける。
雨が降ってきたが、彼らはそれも気にすることなく、暴走を続けた。









雨などの水音は人の恐怖心をあおる効果があるらしいが、
それにあの不快な轟音が重なったら、それを聞いた人間はどう思うだろうか。
たまらなく嫌な気持ちになるのは間違いないだろう。
勿論、彼らはそんな事はお構いなしに、雨の中、轟音を響かせながら走った。
気の済むまで、朝の街を爆走した。









メンテ
No.3の場面展開(ファイルNo.4)
日時: 2004/09/11 22:38
BGMファイル:mid/car211.wav [スタート=100/エンド=1000] [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak26.gif





「チッ・・・・雨か・・・」


突然降り出した雨を見て、守は舌打ちをした。

今日は仲間たちに早く帰されたのだが、
やはり走り足りないらしく、家の目の前まで来てから再び走り出したのだ。

















雨が降っていると視界が狭い上に、スリップしやすい。
本当ならここで引き返すべきだが、
「腕の見せ所だ!」
と言わんばかりに、守は単車のスピードを上げた。
見せ所と言っても、こんな明け方に誰も見ているはずがないのに・・・・


しかし流石暴走族のリーダーなだけあり、
守の運転技術はなかなかのものだった。(リーダーだから巧いとは限らないが)

急なカーブもものともせずに、大きな水溜りを華麗にかわし、雨の中を走っていく。

そして調子にノッてきた守はどんどんスピードを上げていく。






















その時だった




























目の前に書類を抱えたオッサンが飛び出してきた!

























「うわっ!」



























<font color="#ff0000" size="5">キキィィィィーーーーーーー!!!!!!</font>





















慌ててブレーキをかけると、
勢いで遠くへと放り出されてしまう。


そして地面に強く叩きつけられて気絶してしまったが、
バイクから放り出される直前に見たものは守の目に鮮明に焼きついていた。











飛び出してきたオッサンが

光に包まれて消えていくのが







メンテ
ファイルNo.5
日時: 2004/09/16 17:00 [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak2-14.gif

<bgsound src="http://www15.ocn.ne.jp/~darkx/moonlight1_pi.mid" loop="infinite" autostart="true" hidden="true">









4、メロディー








<ruby>大都市<rt>メトロポリス</ruby>に響き渡る美しい音色。


それは美しいながら、どこか哀しげなメロディー。
立ち並ぶビルに反響して街中に響き渡る。

しかしこの大都市でその音を聞く者はいなかった。
誰も外を出歩きしていなかった。



そんな誰もいない夜の街に響き渡るもうひとつの音があった。
その音はもうひとつの音色とは違い、非常に不快な音。
しかし、この街に暮らす人々は、もうこの音には慣れっこだった。
住人達が外に出ないのも、それが理由だった。










そして、その音の発信源となっている集団の中のひとりがもうひとつの音の存在に気付いた。










―――・・・ん? 何だこんな夜中に・・・

暴走集団の先頭を走っていた健が止まると、後ろを走っていた連中も一斉に止まった。
その中には保や昭人の姿もある。

「どうしたんだ、健?」

保がバイクから降りて先頭の健のもとへ近寄る。
すると、健の様子を見て保も辺りに響き渡る音色に気付いた。

「何だこの音は?」
バイクの音が消え、再び街中にあの音色が響き渡る。

「何処から流れてきてるんだ・・・?」

2人は耳を澄まして音の出所を探る。
反響していて聞き取りずらかったが、
よく聞くとその音が、あるひとつの場所から流れてきているのがわかった。

「あそこだ・・・」

健が指差した先には、大きな倉庫のようなものがあった。
その外壁には『第4倉庫』と大きく書かれている。
そしてその隣りにいくつも似たような倉庫があり、
それぞれ『第1倉庫』『第2倉庫』などと書かれている。


「行ってみるか?」
保が聞くと、健は黙って頷き、
仲間たちに「先走ってていいぞ」と言い、倉庫へ向って歩き出した。









夜の街に響き渡る音色。
ピアノの音だろうか?
何故か倉庫の中から音が聞こえる。
何故だかは分からないが、それは非常に不気味だった。









仲間たちが去った後、健と保は倉庫の近くにバイクをとめて、倉庫へと近づいていった。

倉庫の大きな扉の前まで来て初めて、健はここへ来たことを後悔した。
まず、何でここへ来たのかもよく分からなかったが、何かものすごく嫌な予感がしたのだ。
しかしここまで来てしまったら引くわけにはいかない。
保にあんな偉そうな態度をとっておいてそれだけは出来なかった。

「よし、じゃあ開けるぞ」

健は意を決して、重く、大きな扉を開いた。










ギイィィィィ・・・・・・









音を立ててその大きな扉が開かれる。
その中を見ると、
広い空間の中央に大きなグランドピアノが置いてあった。
そして、2人に背を向けた状態で何者かがそのピアノを演奏していた。

「だ・・・誰だ!?」

健が問いかけると、その演奏者は静かにその腰を上げた。
そして演奏者は2人のほうを振り返る。

「・・・・・何だ?・・・・子供?」

そう、そこに立っている演奏者は子供。
パッと見ただけでも健たちより5つくらいは年下の少年だった。

少年は2人の顔を見ると、ニコリと笑って見せた。
それは全く悪意の感じられない、無邪気な笑顔だった。
しかし、逆に健にはその笑顔が不気味に感じた。


「おい、ヤバイぞ。逃げたほうがいい・・・」

とっさに健は保にこんな事を言ってしまった。
当然保も「ハァ?」といった顔をしている。

こんな子供がひとりでピアノを弾いている。倉庫の中で。
確かに可笑しな状況だが、逃げる必要など全くないはずだ。
目の前にいるのは明らかに自分らより年下の少年。
人を見かけで判断するなとは言うが、この少年が何を出来るというのだ?
ピアノを弾くくらいじゃないか?
これが保の考えだった。いたって普通の考えだ。
しかしここからが普通ではない。
普通ならばこんな夜中に子供がこんなところにいるのは可笑しいと思い、
家に送り返すだろう。
しかし保は

「おい、そこのガキ! 何やってんだこんなトコで!」

いきなり怒鳴りつけて少年のほうへ近寄って行く。
「やめろ!」と健が止めるが、保は聞く耳を持たない。

しかし奇妙な事に、少年はこんなチンピラに睨みつけられているにも関わらず、
全く動じる様子がない。
少年は保の顔を見ると、再びニコリと笑って見せた。




そしてその直後、保は意識を失っていた。


意識を失う瞬間に少年が何かを言っていたような気がしたが、聞き取る事は出来なかった。


ただ、遠くで健が倒れたのだけはハッキリと分かった。




メンテ
No.5の場面展開(ファイルNo.6)
日時: 2004/09/16 17:02 [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak29.gif






青い空


白い雲




俺の目の前に広がる光景






―――何だか懐かしい・・・・


もう20年以上も前になる。

少年時代、こんな光景を見たような気がする・・・。





緑いっぱいの草原に寝転がり、空を眺める。












龍がいた。

飛行機雲かなんかだったかもしれない。
しかし、当時の俺には龍のように見えた。

空に向って長い体をうねらせながら昇っていくその姿。
あれはまさしく龍だった。・・・・様に見えた。












・・・・・・・・ん?













ここはどこだ?
















海道はやっと自分の置かれている状況に気づいた。

あの日と同じ、全く同じ草原で、この空を見ている。

ハッと我に返り立ち上がると、辺りを見回す。

そこは、果てしなく広がる草原だった。


そして自分以外には誰もいない様に見えたが、ひとりの少年がいた。

その少年は見るからに無愛想で、可愛げがなく、
まるで昔の自分の様だった。

しかし、その少年の目は、とても優しい目だった。
そしてその目でこちらをじっと見ている。



とりあえずここがどこなのかを聞こうと、海道は少年のもとへと歩みを寄せた。

メンテ
ファイルNo.7
日時: 2004/12/03 20:59 [フォントカラー/背景色:/]
背景画像: bak8.gif





5、変わってしまった街








「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」








息を切らして逃げる。
振り返ってみると、パトカーが100mくらい先から追いかけてくるのが見えた。



――早くパトカーの入ってこられないような場所を見つけなくては・・・
  早く遠くへ逃げなければ・・・・

こんな事を考えているうちに、90m、80mとその距離はどんどん縮まっていく。
しかしすぐにパトカーで入りきれないような路地を見つけ、派手に転びながらも、その路地へ転がり込んだ。

しかしまだ安心はできない。
パトカーで入ってこられなくとも、すぐに警官が追ってくる。
転んだ時に打ち付けた左足を引き摺りながら、守は路地を必死に走った。























1時間ほど前













「・・・・ここ何処だ・・・???」







守は目を覚ました。
そこはベッドの上・・・・病院らしい。
ボーっとする目をこすり、眠気を振り払って必死に状況を把握しようとする。
しかし、守が事故を起こして病院に運ばれたということに気づくには少々の時間を要した。
長い間眠っていたため、それだけ目を覚ますのも時間がかかるのかもしれない。
だが、病院という慣れない場所での目覚めという事もあり、すぐに守は我に返った。


病室の時計の針は8時ちょうどを指していた。
日が全く出ていないのを見ると、午後の8時だろう。
この時間なら患者も殆どおらず、医者から事故の事について聞ける筈だ。
ゆっくりとベッドを降り、スリッパを履いて部屋を出る。
どれだけ長く眠っていたのかは分からないが、体の痛みは全くといっていいほどなくなっていた。




部屋を出ると、薄暗い廊下へと出た。
所々電気がついている部屋があるが、廊下は真っ暗だった。
よく夏にやっている『本当にあった怖い話』とかで病院の話があるが、
それの舞台になっていそうな、そんな不気味な雰囲気がした。

恐る恐る廊下を歩いていると、後ろから何か変な気配を感じた。
ハッと振り向いてみると、そこには自分と同じ、入院患者が4人ほどいた。


「どうしました?」


守はそう聞いてからあることに気づいた。
彼らの顔はまるで死人のように真っ青だったのだ。
1番左の若い男なんかは、目の焦点がまるで合っていない。
「君、ここへ来る前に・・・人を轢いたんだって?」
その1番左の男が聞いてきた。
「あ・・・その事について聞きたいのですが・・・」
守が言い終わる前に、その男は守に襲い掛かってきた。
慌てて避けると、その男はすぐ後ろにある階段の下へと転げ落ちていった。
しかし安心するのも束の間。すぐに残りの3人が襲い掛かってきた。
守も見ず知らずの一般人を傷つけたいとは思っていないが、相手から襲い掛かって来たのだから仕方ない。
一人目を投げ飛ばし、残り二人を軽く蹴り飛ばすと、猛ダッシュで階段を降りた。
軽く蹴った筈なのにあっさりと崩れ落ちた。どうも普通ではない。
まるで「バイオハザード」のゾンビのようだ。
階段を一番下まで降りると、先ほどと同じような人間が5人ほどいた。
「止まれ!!!」
医者と思われる男が、守の前に立ちはだかった。
その男は声こそ元気があるものの、先ほどの男達と同じく、顔には全く生気が感じられなかった。
守は階段を3段ほど降りると、思い切り踏み込み、男の上を飛び越え、見事に着地した。
そして既に止まっている自動ドアをこじ開け、病院の外へと駆け出した。
後ろからは「待て〜!!」とさっきの男の声が聞こえるが、振り返らずに一目散に走り去った。

10分くらい走って、アパートへとたどり着いた。
守の借りているアパートだ。
人目を避けつつアパートへと近づき、階段の1番下の段へと座り込む。
バクンバクンと心臓が鳴るのが分かる。
もう肩で息をするようになっており、こんな時に体力の低下を実感する事になってしまった。
初めて吸った時以来、煙草を吸っていたことを後悔した。
初めて吸った時は、肺に煙が入って物凄く気持ち悪い思いをした。(注)
その後はすぐに慣れたが、あの初めて吸った時の嫌な感覚は一生忘れることはないだろう……

「ふぅ…」
軽くため息をついて立ち上がり、部屋に向かって歩き出すと、
玄関の横の窓が開いており、そこから何者かが顔を覗かせているのが分かった。
「誰だ!?」
恐る恐る近づくと、それが自分の身近な人物だということがわかった。
健だ。
守たちのグループのNO.2に当たる存在。守にとっても1番話の分かる奴だった。
あんな訳の分からない体験をした後に初めて出会ったのが健であるのがせめてもの救いだ。
「よぉ、健か」
守は「健なら“大丈夫”だろう」と思い、気軽に声をかけた。
しかし健は守の顔を見るや否や、「来たぞ!」と叫んだ。
それを合図に、部屋の中や階段の上から、守のグループの不良少年達が飛び出してきた。
よく見ると健や他の連中の顔は真っ青になっており、目も焦点が合っていない。
あの病院で守を襲ってきた連中とまるで同じだった。

瞬時に「ヤバイ!」と判断した守はすぐに後ろを振り返り、駆け出した。
何とか捕まることなくアパートを離れる事ができたが、2,30人がものすごい勢いで追いかけてくる。
よく聞けば、ご丁寧にサイレンまで鳴らしてパトカーが追ってくる。もう何が何だかわからなかった……。















ピーポー、ピーポー・・・・

パトカーは目の前の道を走り去っていった。
しかしこのままでは見つかるのも時間の問題。どうにかしなくてはいけない。
このままおとなしく捕まろうか……いや、奴らの目の様子は尋常ではなかった。
何をされるか分からん。


………もしかして皆こんな風に追いかけられ、捕まってあんな風にされてしまったのだろうか?
それこそまるでゾンビじゃないか。
俺は絶対に嫌だぞ…

守はズキズキと痛む左足を構うことなく歩き出した。
あんなゾンビになるくらいなら、この程度の傷みはどうってことなかった。
早くどこかへ逃げて行きたかった。

しかし突然、暗闇の中から手が飛び出してきて、守の腕を掴んだ。
廃ビルの中から伸びてきたその手は、守が抵抗をする間もなく、守を中へと引きずり込んでしまった。

その後、健たちがここを探しに来たが、守を見つけられることはなかった。









注:念のため書いておきますが、私は煙草を吸ったことはありません。
友達にどんな感じか聞いて書きました。

メンテ

Page: [1]

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